新しい資本主義と岸田ショック
「成長と分配」の名の下、安易な増税案をぶち上げた岸田首相。
いまさら何を言っているんだ、というのが第一印象でした。
昔から所得の再「分配」は行われていますが、さらに踏み込んで、株式譲渡益等の増税を行おうというものです。
というか、単なる増税でしょ、と。
「成長」については目新しいテーマもなく、岸田首相は、「既に日本に未来はない」と言っているのでしょうか。未来の発展が望めないから、今ある資源を山分けするとも聞こえます。
本来なら「経済を発展させて、みんながお金を稼いで豊かになろう」というのが筋だと思うのですが。
これでは、みんなで痛み分けして沈んでいく船で一緒に死にましょう、と言ってるようなものです。
日本の新しい首相がまず最初に掲げる政策がこれかと。正直情けなくなりました。
それは、単にお金を右から左に移動させるだけで、「誰でもできるでしょ!」とも。
結局この政策は取り下げられましたが、安易に思いついてしまうだけでもセンスのなさを感じます。
おかげで、株式市場は敏感に反応しました。
いわゆる岸田ショックです。
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所得の再分配
確かに、豊かな人からそうでない人への所得の再分配は、資本主義社会を発展させるための当然の手段です。
弱肉強食の結果だけでは世の中はよくなりません。
大切なのはその方法です。それを間違うと、かえって経済を萎縮させてしまいます。
いつの日か、もしこの増税を実行すれば、間違いなく市場を去る株式投資家が多数現れるでしょう。
「新しい資本主義」とは、単なる社会主義のことなのです。
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株式譲渡益等
岸田首相は安易に株式譲渡益や配当への課税を増やそうとしました。いわゆる金融所得課税です。
これには以前から確かに議論のあったところです。
というのは、個人の所得税は累進課税になっており、稼げば稼ぐほど税率が高くなり、課税所得4,000万円以上の人は所得税45%(別途、復興特別所得税、以下同じ)と住民税10%の合わせて55%の最高税率を課せられます。
しかし、株式譲渡益や配当については、原則所得税15%と住民税5%の合わせて20%の課税で済んでしまいます。
それは何億円の譲渡益や配当があろうが同じです。だから企業の創業者などは、累進課税の個人の報酬は1億円程度に抑えているのです。
彼らにとって、役員報酬などはどうでもいいのです。株の配当の方が圧倒的に得なのです。
それらのことから、株をたくさん持つ人に有利だから「金持ち優遇」だ、と批判されてきたのは事実です。
だからといって、安易にこれらに増税していいのでしょうか?
国は国民の老後の金銭的不安を解消するために、「貯蓄から投資へ」の スローガンの下、NISAや確定拠出年金で税制優遇を図ってきたはずです。
なのに増税って。完全に逆行しています。
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一旦取り下げたものの
投資家のみならず誰でもわかるこの矛盾に対し、大きな反対の声が上がったのは言うまでもありません。
だから、早速首相はこの増税案をとりあえず取り下げました。
しかし、富裕層からむしり取るという基本的な考え方は変わらないでしょう。
中間層を含め大多数の人の所得が増えないのだから、税収が増えるわけないのですから。
富裕層は海外へ、の流れが加速
取ろうとすれば逃げる。それは当たり前のことです。
昔と比べ海外移住のハードルは比較にならないほど低くなりました。
今や住居はもちろん、食事や医療のレベルまで東南アジアでも全く遜色ありません。
どこにいても稼げる仕事の人は日本に住む必要はないのです。
富裕層が海外に出ていけば、日本の税収は減り、さらに厳しい財政になります。
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みんなの所得が増える政策を
いつも言うことですが、人口が減ってもみんなが豊かに幸せに生活できる政策が必要なのです。
消極的な思考でなく、積極的な思考が必要なのです。
景気減速感が続く日本で、未来を背負って立つ若者が希望を持てる政策が必須です。