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不動産投資業界に激震
東京八王子にあるアパートの階段が劣化により崩落し、そこの居住者が亡くなるというショッキングな事件が起きました。
これは、関係のない人にとっては単なる事故ですが、その業界の人にとっては身の毛がよだつ事件だったのです。
その業界とは、もちろん不動産投資の世界です。
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責任の所在
まずはオーナーの責任が問われる
こういった事故が起きると、まずは建物のオーナーの管理責任を問われます。
オーナーの過失がどの程度あるかによるのですが、いずれにせよ建物の状態と事故との因果関係がはっきりしていることから、全く過失がなかったとは評価されないでしょう。
オーナーには、当然居住者を安全に住まわせる義務があります。
建物の建築会社の責任
次にこの建物を建てた建築会社の責任が問われることになります。
ここ数十年の間に、大規模マンションやホテルなどが設計書通りに作られていないとか、耐震偽装された建物が建てられた、という話には枚挙にいとまがありません。
その都度法律などを厳しくするのですが、すぐまた同じことが起きます。
建物の管理会社や検査機関も
さらには、オーナーがこの建物の管理を管理会社に任せていたのなら、当然その会社も逃れられません。
また、もし購入前に建物の検査等を行なっていたならば、その検査機関も対象になるでしょう。
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手抜き工事が原因
このアパートは築8年といういわゆる築浅物件で、普通は階段などが崩落することは考えにくいのですが、案の定建築会社が設計書通りに作っていなかったのです。
今回の事故では、階段の腐食を防ぐ防水加工がされていなかった疑いがあるのですが、そうでもしないとそう簡単には壊れません。
安かろう悪かろうの典型
この建築会社は、低コストでアパートを建てるので有名だったとのことで、そのシワ寄せは必ずどこかに来るので、当然の結果といえばそうかもしれません。
業界でもこの会社の安普請は有名だったようで、元従業員も「起こるべくして起きた」と証言しています。
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注文を取るためには必要だった?
今はどの業界の会社も厳しい経営を強いられており、当然この建築会社も生き残りをかけて注文を取るためにコストダウンをしていたのだと思います。
ただ、そのコストダウンの方法がマズかったのです。肝である建物の手抜きはダメでしょう。
近年不動産投資家が続々と誕生
数年前から空前の不動産投資ブームが続いており、信用力のあるサラリーマンを中心に多くの不動産投資家が毎日のように誕生しています。
その中には、業者に言われるがまま物件を買う人が相変わらず山のようにいます。
その結果、不幸な事故、事件に多くの人が巻き込まれています。「かぼちゃの馬車」事件はその典型です。
もっとも、事故、事件でなくても、普通に利益が出ないどころか、延々と持ち出しになる物件を買わされる人も後を絶ちません。
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不動産投資の本質
不動産投資で不労所得?
確かに不動産投資自体は、投資の王道だと思います。
他人資本を使って、つまり銀行から借金をして物件を購入し、さらに毎月賃貸人がそのローンを払ってくれて、残ったお金が投資家の収入になり、最終的に物件も自分のものになるという、ある意味夢のようなスキームです。
しかし、本人が何もしなくて良い不労所得かと聞かれれば、答えはほとんどの場合NOでしょう。
むしろ面倒臭いことが沢山ある労働収入です。
不動産投資はビジネス
不動産投資は安易な気持ちで取り組むべきではない「ビジネス(事業)」なのです。
専業であればもちろん自分の収入に直結し、サラリーマン大家でも給与にプラスされればいいですが、給与から不動産投資のマイナス分を補填しなければならないことになると、何をやっているのかわかりません。
考えること、やるべきこと、勉強すべきことが山ほどあるのです。
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不動産投資を行う者の心得
今回の八王子の事故は確かに建築会社の手抜き工事が原因かもしれませんが、建物の所有者も当然にその建物を安全に維持管理する義務があります。
建物購入の際の検査、そして買った後の定期的な検査、修繕は十分過ぎるほどやってもやり過ぎではないでしょう。
建物のみならず、賃貸人の問題や、そもそも入居者を確保できないという悩みも尽きないかもしれません。
いろいろなリスクを想定し、そのリスクに耐えられる知識、経験、精神力をつけなければならないのです。
つまり勉強することが必須なのです。