日本であって日本でない
北海道のニセコはその雪質により、スキーやスノボーをする人にとっては、北海道いや日本の中でも最も人気のある観光地といっていいでしょう。
そのニセコが今、日本であって日本でないと言われています。
それはどういう意味かというと、従業員、看板、話される言語のほとんどが英語だということです。
ニセコは日本人にも人気ですが、外国人にもかなり評価が高くなっています。
中国、韓国はもちろんのこと、雪が降らない東南アジアや雪が降るオーストラリアなどからも大挙して観光客が押し寄せています。
もはや世界的に有名なリゾート地なのです。
それはやはり雪質がパウダースノーで独特だからだということです。
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ニセコは潤い、北海道も潤うか
外国人が大挙して押し寄せ、ホテルに泊まり、飲食をし遊べば、相当な金額のお金が落ちるのは間違いないです。
ということは、企業は儲かり、雇用が増えて従業員の収入も増え、その結果税収が増えるので、町はウハウハ、さらにほとんどの人が航空機で来るので、北海道にもそれなりの恩恵が期待できます。
それは人口減少に直面する日本の将来のモデルになるのではないか、と言われています。
実際は
冬にこの街を歩くとほとんど日本人に会わないのです。つまり、客のほとんどが訪日客で、しかもホテルなどの従業員もほとんど外国人なのだそうです。
だから当然まず口から出てくる言語は英語です。ということは、英語が話せないとそもそもこの街では働けないことになります。
前述の雇用という意味では、英語が話せることが条件であれば、日本人の雇用は増えないと思われます。
もちろん英語が話せなくても、裏方で働けばいいのですが、外国人が表で、日本人が裏という不思議な構図が出来上がります。そして、オーナーも外国人であれば、完全に立場が逆転しています。
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お客さんは外国人ばかり?
お客さんも現地で働く人も外国人であれば、もはや日本人はいないのか?ということですが、オンシーズンの冬は外国人、オフシーズンは日本人という構図だそうです。
当然オンシーズンの方があらゆるコストが高いわけで、1泊5万円の部屋に外国人は普通に泊まり、日本人は安い時期に泊まるということです。
これを聞くとすごく寂しくなりますが、これが現実なのです。これが「ニセコ」という類い稀な地であるが故であればそれもやむなしですが、他の日本の観光地もそうなり、それが今後の日本の縮図だとしたら、非常に厳しい将来が日本に待ち受けています。
実際京都でもそういう事態が起きているそうです。
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ニセコ税
ニセコが賑わい、北海道そして日本全体が潤えば素晴らしいことですが、残念ながら期待はできません。
日本では観光地であってもインフラが整備されてないところも多く、観光地でないところでは、もはや廃れていくのが当然の状況になっている日本の地方をどうするか、非常に難しい問題が残ります。
一つできるとしたら、ニセコのようなところでは別途高額な「リゾート税」を課すのがいいと思います。
ここにはどうせ高いお金を払って遊びに来ているのですから、あと数千円高くなっても誰も文句は言わないでしょう。
いずれにせよ、ニセコを日本の発展のモデルケースにするのか、単なる日本の中の外国にするのか、行政の腕の見せ所です。
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