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医療費も年金に迫る勢い
年々増大する社会保障費を賄うために、国は消費税を上げましたが、その社会保障費って何?と聞かれれば、ほとんどの人が年金と答えるはずです。
確かに今後年金の給付額のトータルが増えるのは間違いないのですが、意外と意識されていないのが医療費なのです。
2017年度の医療費は43兆円で、過去10年で年2.4%の伸びとなっています。
これは年金の約7掛くらいの数字に相当し、年金同様毎年増加しています。
日本の年金は将来破綻する、と言われることがありますが、今後の日本のGDPの伸び率と年金の増加率はほぼ等しいと予想されており、そうであれば破綻はしないことになります。
一方で医療費の伸び率の方が大きく、2040年には年金に迫る勢いです。同様に介護費も大きく増える予想です。
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医療費も確実に財政を圧迫する
高齢化が進行すると当然医療費は増えます。そしてそれが確実に日本の財政を圧迫します。にもかかわらず、医療費を削減しようという試みが非常に少ないように感じます。
現在のところ、原則1割〜3割の自己負担で病院にかかることができますが、このままではこの負担率も間違いなく上がっていきます。
医療費を削減するために、花粉症の薬は保険の適用外にするとか、薬価を下げるとかそういった小手先の手段しか考えてないのが現状です。
予防という観点の欠如
日本では病気になってからの治療には相当のお金も気もつかいますが、そもそも病気にならないよう努力するという、予防の観点が抜けています。
細かいことにうるさい日本人でも、食事や運動などの生活習慣に無頓着な人は結構多いのです。
生活習慣病とよく言われますが、これらは長年蓄積された結果なので、かかってしまうとなかなか治すのが大変です。逆に言えば、習慣さえきっちりしておけば防げるのです。
きっちりといっても、ごく普通の生活をしていればいいだけですが、その「普通」が時代とともに変わっていき、結果的にカラダに良くないことを普通にやってしまっているのです。
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医療費を削減するには
平均在院日数を減らす
日本での平均在院日数は、ドイツやフランスの約3倍、アメリカの約5倍というデータが出ています。
病院及び病床数が世界一、と言われる日本の病院が快適だからなのかどうかはわかりませんが、この差は大きいです。
セルフメディケーション
セルフメディケーション税制という医療費控除の特例が、2017年分から始まったように、病院にかからず市販の薬を使うことによって医療費を削減しようとしています。
これは普段から健康増進や病気の予防に努めることで、自分で健康管理をして欲しいという国の意図ですので、国民も普段から病院にかからないよう自己管理しなければいけません。
薬剤自己負担率の見直し
例えばフランスでは、薬剤の負担率は必要性に応じて0から100%の5段階に分かれていますが、日本では一律です。
だから日本には、とりあえず薬をもらっておくという人が多く、医者も儲かるのでどんどん処方します。
その結果、日本の家庭には廃棄される薬が相当数あるはずです。
日本においても、必要性に応じた負担率にすることが求められます。
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生活習慣
食事
日本人はカラダに良いとされる和食を普段食べていますが、この和食にも欠点があります。それは塩分です。
味噌や醤油など和食に使われる基本的な調味料のほとんどは、塩分が多く含まれています。
その塩分を多く含んだ料理にさらに醤油などをかけているので、かなりの量になるのは明らかです。
また、サラダや納豆のように料理そのものには塩分がなくても、それらにかけるドレッシングやタレにも多くの塩分が含まれます。
塩分の摂取量が多いと高血圧になり、そこからいろいろな病気を誘発します。
塩分と並んで糖分もカラダに悪いのは言うまでもありません。こちらも過剰摂取は、恐い糖尿病の原因になります。
これらの病気に罹ると、死ぬまで付き合うことになります。
運動
食事と運動が生活習慣病予防には重要だとほとんどの人が知っています。
しかし、運動は食事よりももっと積極的に行動を起こす必要があるため、実際にはなかなか実行できません。
ただ、運動といっても激しくカラダを動かす必要はないのです。むしろ激しい運動は、怪我など他の問題を引き起こしますので、やめたほうがいいのです。ジョギングでさえ良くないと言われてるくらいですから。
毎日、20分以上通常より早く歩き、体幹を鍛える運動をする。ヨガやストレッチで柔らかい筋肉をつける。これだけで十分です。
食事にしろ運動にしろ、これらを適切に行うことは、医療費がどうこうではなく、健康的な生活を送るためには必須なのです。
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健康診断
サラリーマンならほぼ強制的に健康診断を受けさせられますが、自営業や個人事業主の人は意外と何年も受けていない人がいます。
よく、「ちゃんと健康診断を受けていれば」と後悔のコメントを聞きますが、本当にそうです。
普通の病気だけでなく、致命的な事態を防ぐこともあるのです。
カネや時間よりも命の方が大切です。
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無理な延命措置
日本は世界でも3本の指に入る長寿国です。
しかし、実際には寿命を無理矢理伸ばしている場合が多く、単純に他国と比較はできません。
北欧などは無理な延命治療などをしないと聞きます。命の捉え方が違うのでしょう。
当然この延命治療にも膨大な医療費がかかっています。
大事なのは健康寿命です。自力で普通の生活を長く送ることができる期間こそが本当の寿命です。
ただ、この部分は人間の尊厳に関わることであり、だからこそ予め家族とよく話し合っておくことが必要です。
人ごとだと思わないこと
自分一人が頑張ったって、どうにもならないと思いがちですが、放置してこのまま医療費が増大すれば、結局それは個人の負担増に跳ね返ってくるのです。
感染症を抑えるのも同じことです。
一部の呑気な人が外出し、感染する。それが他へまた感染する。そのおかげで結果的に医療費が上がり、みんなの負担率が上がる。
重税に加え社会保障費の負担も、これからますます国民を苦しめることになります。