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日本は経済大国でも貧困?
日本は先進国の中で最悪の貧困率だと言われています。GDPで世界3位の経済大国でこの事実は信じられないのですが、事実なのです。
日本では、7人に1人が貧困で苦しんでいるというデータがあります。ちなみに貧困率とは、可処分所得が年間122万円未満の世帯の割合のことをいいます。
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街を歩いても、ニュースを見ても
街を歩けば、飲食店は混んでるし、高級ブランドショップで普通に買物してる人がいます。
また、学生でもスマホの使用はもちろん、高いドリンクを飲んだり食べたりしています。
お盆や年末年始、ゴールデンウィークには多くの人が旅行に出かけたり、ディズニーランドなどのレジャー施設で大金を使っている映像を見ると、みんなお金持ってるんだなあといつも思ってしまいます。
ただ、それは単にある一面を見ているだけで、世の中にはもちろん裕福な人も貧しい人もいます。これは昔からそうです。
ところが今はその構成が変わってきているということでしょう。つまり格差が明確になってきたのです。
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貧困率が高くなる理由
富の偏在
理由の一番はこれです。
実は日本人は今でも一人あたりでは世界一の金持ちの国民なのです。しかし、富が偏っているのです。
これは、元々お金持ちにはお金が集まるようになっていますし、さらに投資家に有利な税制を敷いたり、非正規雇用を大幅に増やしたためです。つまり、政治や企業がそうしたのです。
そして、所得の多い人の富を少ない人に分配するのは日本でも同じなのですが、そのシステムが上手く機能していないのです。
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所得税
現在のところ日本の所得税は、給与所得などは累進課税で、最高45%、住民税と合わせると最高約55%もの税金が課せられます(以下復興特別税は別途課税)。
しかし、実際にはお金持ちでも全ての所得にそんな税率を掛けて払っている人は少ないのです。
なぜならお金持ちは給与所得などで得るよりも、投資などで得た所得の方が圧倒的に多いからです。
そしてその投資などで得る所得には、事実上一律約20%しか税金がかからないのです。
納税額自体は確かに多くても、税率という意味では大したことないのです。
実際日本人の富裕層が納める税金はアメリカの富裕層などに比べても少ないのです。
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消費税
消費した者万人に課される消費税は、一見平等のように感じますが、負担という意味では明らかに富裕層に有利になっています。
所得のほとんどを消費に回さざるを得ない人の負担率は、消費税が10%なら全所得の10%に税金がかかることになりますが、所得の一部を消費に回す富裕層は全所得に占める税率は10%より薄まることになります。
そしてその消費税が8%から10%に上がったため、当然貧富の差はますます広がることになります。
富裕層は税率が2%くらい上がろうが下がろうが影響はほとんどないのに対し、所得のほとんどを消費に回す人はもろに影響を受けるのです。
お金持ちが寄付をしない
日本の富裕層は欧米のそれらに比べて寄付をしないとよく言われています。
もっとも、単に寄付をする、しないではなく、富裕層の社会貢献が少ないのです。
アメリカでは、お金持ちになったら寄付をするのが当然です。いや、お金持ちでなくても寄付をするように子どもの頃から教育を受けます。
また、企業も然りです。
儲けても株主への配当に回すか、内部留保でガッチリ蓄えており、社会に還元されないのです。
これでは社会全体がよくなりません。
今後もこの構図は変わらない
これからも富裕層はますます裕福になり、そうでない人はますます苦しくなります。
社会保障費が足りなくなり、増税が必須となると、安易に消費税を上げようとする。そうすると、上記の通り所得の少ない人が影響を受ける。そして景気が悪くなって税収が減る、という悪循環に陥るのです。
このままでは、この構図は変わりません。
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富裕層の海外脱出
そして既にもう問題になっていますが、その富裕層が海外に移住してしまうことが加速すると、日本にとって最悪の事態になります。
国は富裕層が海外移住する際に、持っている資産の含み益に対して課税する、いわゆる出国税制度を導入し、海外移住を牽制していますが、はっきり言って全く意味がありません。
やるべきことは逆の減税なのです。日本に住むと税金が安くメリットがあって、ずっと日本に住みたいと思わせることが大事なのですが、実際は「日本は住みにくい所」と思わせるような税制を取っているのです。
上記の通り、富裕層の税金は、全所得に占める割合は小さくても、純粋な労働に対しては最大約55%を持っていかれます。海外移住を検討しても、全く不思議ではありません。
追えば追うほど逃げるのです。
気がつけば、日本には老人と貧しい人しか残っていなかった、という笑えない状態になっていないことを祈るばかりです。