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人気上昇中のインフラファンド
株式投資家の間で最近人気が高まっている堅い投資先として、インフラファンドがあります。
まだ歴史が浅く、マイナーゆえ他人より早く投資することにより、先行者利益を得られる可能性があります。
インフラファンド
インフラとは
インフラとは、インフラストラクチャーの略で、一般的にもインフラという名で通っています。
そのインフラストラクチャーとは、生活や産業などの経済活動を営む上で不可欠な社会基盤のことで、公共の福祉のために整備・提供される施設の総称です。
例えば、道路、鉄道、上下水道、電気など、私たちが生活する上でなくてはならないものです。
インフラファンドとは
インフラファンドとは、その名の通りインフラ施設を対象として投資するファンドです。
ただ、インフラ施設といっても、現実的に投資対象となるのは、現在は太陽光発電所を対象としたインフラ施設しかありません。
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インフラファンド創設の意義
民間資金の活用
インフラは本来、国や自治体が主体となって整備していくものですが、財政状況の制約などから、インフラの維持、更新及び新規投資を公共投資に代わって民間の資金を利用し行う必要性が出てきました。
投資ニーズの高まり
インフラは景気動向に左右されてはいけません。いつでも安定的に整備、運営される必要があります。
逆に言えば、投資家にとっては安定した投資対象になり、安定的なアセットクラスとしてニーズが高まってきたのです。
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インフラファンドの仕組み
仕組み
資産運用会社が取得を決定したインフラ資産をインフラファンドが保有し、インフラファンドから資産を運営するオペレーターに賃貸する流れになります。
そして、その賃貸から出た利益を投資家に分配します。
インフラファンドは個人投資家や機関投資家などの投資家や、金融機関からの借り入れで資金を調達します。
出所:日本取引所グループ
オペレーターが重要
インフラファンドではインフラを運営するオペレーターが重要な役割を果たします。
だから、このオペレーターが資産をしっかり運営する能力があるかどうかが、上場の要件の一つになっています。
また、インフラファンドにはオペレーターに関する情報開示が求められ、オペレーターを選定する基準の策定・開示が求められています。
REITに似ている
インフラファンドはREITをお手本に作られたので、その仕組みも似ています。
REITとの共通点
・両者とも配当可能利益の90%超を投資主に分配することなどを条件として、実質的に法人税が免除されています。
・インフラファンドは再生エネルギー発電設備を、REITは対象不動産を第三者に賃貸する必要があります。
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インフラファンド投資のメリット・デメリット
メリット
安定的な収益
インフラファンドに投資する意味はなんといっても安定的なインカムです。
国も安定的な収益を実現するために、新規に建設するインフラではなく、既に完成、稼働し継続的安定的に収益が見込める施設(原則として稼動後1年以上経過した施設)しか投資対象と認めていません。
高配当
ボラティリティが低いかわりに分配金が高く、現在ある7法人全てが6%前後の高配当率となっています(21年9月現在)。
個別株同様に取引できる
通常の個別株同様に取引ができ、もちろんNISAでも売買できます。
少額から投資可能
個別のインフラファンドには、1口あたり100,000円程度から投資することが可能です。
FIT
FIT(電力の固定価格買取制度)があるため、当面の間収益が景気に左右されません。
ESG投資の代表格
インフラ投資は、環境へ配慮する企業へ投資するESG投資の対象そのものであり、今後ますます注目されることが予想され、資金の流入、投資対象の拡大、分配金の増加が期待できます。
地域分散
ほとんどの投資法人の投資対象地域が分散されており、災害リスクも分散されています。
実は安定している太陽光発電
太陽光発電は、その年により日照時間に違いがあるものの、長期で見れば安定的に発電してくれます。
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デメリット
マイナーな投資先
前述の通り、歴史が浅く認知度も低いため、売買は活発には行われません(2015年4月に東京証券取引所がインフラファンド市場を創設、2016年6月にタカラレーベン・インフラ投資法人が最初に上場)。
2021年9月現在、日本の証券取引所に上場しているインフラファンド投資法人は7つだけです。
売買で稼ぐ対象ではない
ボラティリティが低いので売買を繰り返して稼ぐ銘柄ではありません。
FITの終了
2033年でFITがなくなる発電所があり、収益力が落ちる可能性が高くなります。
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銘柄選定基準
規模
やはり発電施設を多く持つというのが基本になります。規模が大きいほど売電収入も多くなります。
地域の分散
同じ場所に集中して施設を持つのは、台風や地震などの天災が起きた時リスクが大きいので、なるべく日本の異なる地域に施設を持つのがリスク回避になります。
ただ現実的には、1法人でそこまで分散できていないので、投資家が複数の法人に分散するのが理想的です。
利益超過分配金
投資法人は、発電の本業以外で稼いだ利益を分配金として投資家に分配することがあります。
これはまさに減価償却費を計上することから生じる利益であり、本来の収益にプラスされる利益です。
帳簿上減価償却費は計上されるが、実際にキャッシュは出て行かず残っているので、これを分配するのが利益超過分配金です。
もっとも、分配金は多いに越したことはありませんが、減価償却期間が終わればこの数字も変わってくるので、やはり本業でのもうけを基本にするべきでしょう。
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いつ買うか
暴落時
株でも何でもそうですが、暴落時に買うのが基本です。
ただ、前述の通りボラティリティが低いので、○○ショックのような時か何か特別な事象がないとなかなか大きく下がりません。
だから、分配金を払った後の下落時を狙うのが現実的かと思います。
公募時
まだまだインフラファンド投資自体の注目度が低いので、通常の株のように上場してグングン上がるどころか、資金が集まらず公募割れすることもありますので、そこで買うという手もあります。
まずは、インフラファンド自体を投資先の候補に入れて調べてみてはいかがでしょうか。
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銘柄
タカラレーベン・インフラ投資法人(9281)
分配金
2021年5月期実績:3,704円
2021年11月期予想:3,311円
配当率:約5.8%
いちごグリーンインフラ 投資法人(9282)
分配金
21年6月期実績:3,922円
22年6月期予想:3,945円
配当率:約5.9%
日本再生可能 エネルギー インフラ投資法人(9283)
分配金
21年7月期実績:3,200円
22年1月期予想:3,200円
配当率:約5.9%
カナディアン・ ソーラー・ インフラ投資法人(9284)
分配金
21年6月期実績:3,700円
21年12月期予想:3,750円
配当率:約6.0%
東京インフラ・ エネルギー 投資法人(9285)
分配金
21年6月期実績:3,262円
21年12月期予想:3,036円
配当率:約6.2%
エネクス・ インフラ投資法人(9286)
分配金
20年11月期実績:6,000円
21年11月期予想:6,000円
配当率:約6.1%
ジャパン・インフラ ファンド投資法人(9287)
分配金
21年5月期実績:2,950円
21年11月期予想:2,924円
配当率:約5.9%
※分配金、配当率等は21年9月現在