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コロナで株価指数上昇
コロナショックを和らげるため、各国は過去例を見ないほどの財政出動を行い、金利も過去最低レベルまで下げました。
余ったお金は株や不動産に向かい、一時暴落した株価はV字回復しコロナ前を上回ったどころか、アメリカにおいては、さらに過去最高を更新する事態になりました。
株価って何?
ここで、「株価が上昇した、下落した」と言う場合の「株価」とは何のことでしょうか。
それは一般的に株価指数のことを指しています。
ではその株価指数って何でしょうか。
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代表的な株価指数
日本
日経平均株価
日経平均株価は、東京証券取引所第一部に上場する企業の中から、日本経済新聞社が225銘柄を選定し、その株価を使って算出されている株価平均型の指数です。
1949年当時に東証が算出した平均株価がルーツです。
海外取引の多いハイテク関連銘柄や輸出関連銘柄が多いことから、為替変動や世界景気の影響を受けやすく、外需関連銘柄の構成比が高いと言われています。
TOPIX(東証株価指数)
TOPIXは、東証一部に上場する内国普通株式全銘柄を対象とする株価指数です。
1968年1月4日の時価総額を100として、その後の時価総額を指数化したもので、翌年7月1日より算出が開始されました。
TOPIXの特徴は、時価総額の大きい銀行などの内需関連銘柄の影響を受けやすいとされていますが、東証一部の2,000以上もの多くの銘柄を対象にしているため、1銘柄程度の値動きによって指数が大きく左右されることは少ないのです。
ちなみに、20年9月時点でTOPIXに占めるウエイトが最も高いのがトヨタ自動車で、3〜4%程度です。
金融庁はTOPIXの見直しを東証に要求しており、今後この指数自体がなくなる可能性もあります。
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米国
ダウ平均(ダウ・ジョーンズ工業株価平均)
ダウ・ジョーンズ社が1896年に12社を選んで「ダウ・ジョーンズ工業株平均」の算出を開始し、1928年から30銘柄の平均を取るようになりました。ニューヨークダウとも呼ばれています。
現在は、S&Pダウ・ジョーンズ・インデックス社がダウ平均株価を算出し公表しています。
ダウ平均は、世界で最も注目度が高い株価指数の一つで、基本的に株価をそのまま平均したのが指数になります。
たった 30銘柄の時価総額が、アメリカの全上場企業の時価総額の20%以上を占めます。
これらの企業の約半分は、米国外での売上比率が 50%以上あり、いずれも世界的な超巨大企業なのです。
NYダウは30銘柄の平均株価指数とはいっても、上記の通り、米国外での売上比率が高い世界的企業が多く、もはやそれは米国経済だけを反映したものではなく、世界経済を反映した指数ともいえます。
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S&P500
ニューヨーク証券取引所かナスダック市場に上場している銘柄のうち、さまざまな条件から選ばれた500銘柄を、調整を加えた時価総額加重平均で示した指数です。
1957年3月4日に算出が開始され、市場で取引される株式(浮動株)の時価総額が大きいほど、その株価が指数に影響を与える仕組みです。
S&P 500は、さまざまな業種の大企業500社で構成されているため、その動きはダウ平均株価よりもアメリカの証券市場全体の動きを反映しているものと、一般的に考えられています。
気をつけなければならないこと
時価総額タイプ
上記の通り、時価総額を加重平均するタイプは、時価総額が大きい銘柄に引っ張られます。
事実、S&P500はこの10年で3.11倍になっているのですが、その時価総額の20%を占めるGAFAM(グーグル、アップル、フェイスブック、アマゾン、マイクロソフト)の影響が大きすぎて、これらを除く「S&P495 」との差がかなりあります。
「S&P495」は、この10年でTOPIXとほとんど変わらない1.7倍ほどにしかなっていません。
株価平均タイプ
一方株価そのものを平均するタイプは、単純に株価が高い銘柄に引っ張られます。
日経平均株価では、20年9月時点で60,000円以上する、ファーストリテイリング(ユニクロ)のような株価が高い「値がさ株」が大きな影響を与えます。
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ダメな銘柄はダメなのだ
よく株価指数で景気を判断しがちですが、上記の通り限られた数社で大きく指数が変わることがあるので、気をつけなければいけません。
指数は様々な業種の銘柄を採用しているため(TOPIXにおいては東証の全銘柄)、悪い業種、悪い銘柄があってもそれが消されてしまうことがあるのです(それが分散効果ではありますが)。
結局、全体の景気にかかわらず業績が良い会社は良いし、悪い会社は悪いのです。
だから個別銘柄で損する人も多いのです。
いずれにせよ、指数を知ることは投資を行う上でも非常に重要です。
素人が大参入したら素早く利確
市場に素人が大量に参入してくると、一旦手を引いた方がいいといいます。
株価大暴落の前には、大概素人が株式の世界に入ってくることから、そう言われています。
1929年のアメリカ市場大暴落
「靴磨きの少年」
「靴磨きの少年」とはJ・F・ケネディ大統領の父の相場師ジョセフ・ケネディ氏の有名なエピソードです。
1929年当時、ケネディ氏本人も株で大儲けしていたアメリカのバブル真っ最中に、ケネディ氏が街中で靴磨きをしてもらっていました。
そのときにその靴磨きの少年が、「この株あがりますよ」とか「相場はまだまだ上昇し続けるから買わないと損です」とか語りだしたそうです。
それを見たケネディ氏はすべての持ち株を売却。
その後、すぐに株価は大暴落しました。
それが世界恐慌が始まった日として有名な「暗黒の木曜日」です。そこからダウは最高値から89%下がったそうです・・・。
それ以来、普段株に興味を持たなさそうな人たちが興味を持ち出したら天井が近いことを表す表現として「靴磨きの少年が株のウンチクを語りだしたら天井」という言葉が使われています。
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コロナ禍の今が正にそれ
コロナショックで株価が乱高下している現在は、証券口座の開設ラッシュがあり、ネコも杓子もみんなが株式投資に参入している状態です。
まだまだ上がる可能性がある中で、大暴落も覚悟しなければいけない時です。
欲張らずにほどほど儲けたら一旦撤退です。